取組団体
かづろうさんげ祝言式実行委員会
代表者 下枝 浩徳さん
取組名称
葛尾村での祝言式を通したコミュニティ再生事業
取組の概要
双葉郡葛尾村は平成26年の6月に一部地域を残して避難解除が行われました。避難により人口が極端に減少し、これまであった隣近所の協力体制やそのコミュニティは大きく失われました。この状況を改善するために、村民同士が新たなコミュニティを作ることが必要だと考え、隣近所の協力体制を再び構築し、村民の方たちのつながりを再生することを目的として葛尾の伝統文化である「祝言式」を再現し、実施しました。
取組の様子
令和4年1月に、村内の落合集会所を利用して、葛尾村の伝統的な祝言式イベントを開催しました。参加者は、葛尾村へ帰還した村民と現在は三春町に在住している村民合わせて25名と楢葉町、田村市、福島市、郡山市からの交流層、約20名です。
当日は、「餅つき」「三々九度」「懇親会」「鏡開き」を行い、村民の方々が「長持ち唄」を披露しました。見学の参加者は女性が多く、新郎新婦役となったお二人の着物姿に感動する姿や、今回、住民の方々が再現した昔ながらの祝のお膳に目を見張る姿がありました。温かみのある家族のような雰囲気の中取組を行うことができました。
「かづろうさんげ」とは「かつらおさんの家」という意味です。村全体をひとつの家族に見立てながら、村外の人とも親戚のような絆でつながるネットワークです。祝言式は昔から集落ごとに行われおり、高齢の方にも昔を懐かしみながら参加していただけました。福島大学の学生も運営スタッフとして加わり、村民との新たな交流の機会となりました。葛尾村の伝統を周知することで、地域や年代を越えた新たなつながりとコミュニティへの愛着を創出することができました。
実施者の声
村外の参加者にも葛尾村の文化を周知し、葛尾の家族の一員のような感覚を持ってもらうことができました。祝言式までの期間を通し、村民同士のつながりをつくることができたと考えています。さまざまな地区の村民同士が交流する機会を増やすことが、新たなコミュニティ構築の一助となりました。今後は、現代の結婚式の要素も取り入れ、村の人には懐かしい記憶を思い出していただく機会に、村外の方には葛尾村の記憶を知って頂く機会を作っていきます。
参加者の声
「楽しみながら祝言式に参加できて嬉しかったです。是非また参加したいです」
「昔ながらの婚礼衣装やしつらえがとても印象的でした」
「素敵な時間を皆さんと過ごすことができました」
「親族固めの盃では、参加者全員が家族になったようで素敵でした」
「次回は昔行っていた花嫁道中をやって欲しいです」