取組団体
フラワーと染めを那須で楽しむ会
代表者 中里 恵子さん
取組名称
「草木染でつながる那須のコミュニティづくり」
取組の概要
震災から13年が経過しましたが、避難先で生活をする上で地元の方々とのコミュニティ形成は長年の課題です。そのため、取組では被災者と避難先の地元の方々、行政機関などとの交流を深めることを目的に、半年に渡って「草木染め教室」を開催しました。教室には主に地元の方々が参加しました。開始冒頭には“震災を風化させない”をテーマに被災地の現状の理解活動も行いました。講師も被災者で、避難先で教室を営み、地元との交流に以前から尽力されている方を選任しました。
取組の様子
6月から準備を開始して、8月から11月にかけて計8回の教室を、避難先である那須塩原市の二つの公共施設で開催しました。草木染めを主とした「藍生葉の草木染」「藍でリネンストールを染める」「ブリザードトフラワー」「レンジでチンの草木染め」の各教室への参加者は、被災者が延べ29名、地元の方が延べ45名となりました。
今回の取組の趣旨が、“地元の方々とのコミュニティづくり”であったため、どのように地元の方々に参加してもらうかについて、当会事務局にて検討した上で、各所に相談を行いました。結果的に、地元の町内会長による町内回覧による参加者募集、行政施設担当者によるチラシ作成と掲示、新聞販売店による無料折り込みなどの広報を手伝っていただくことができました。また、この他にも荷物の運搬、会場設営など、地域の方々にさまざまな形で支援していただけたことも、活動を通じた関係作りにつなげることができました。教室の会を重ねるごとに、関係者との一体感が醸成され、新たなつながりを感じる機会を創出することができました。
実施者の声
当会による取組は昨年に続く形となりますが、今回の取組を通じて改めて、被災者と地元住民とのコミュニティづくりの必要性を認識することができました。“高齢と孤独”の不安を抱えながら過ごす被災者にとって、地元の方との関わりは非常にありがたいものであり、生きがいの根幹を成すものです。私自身にとっても、生涯生活していく上での大きな財産となりました。今後も、近隣に暮らす被災者のために活動を続けていきます。
参加者の声
「草木染めの色合いのすばらしさを堪能することができました。世界に一つしかないオリジナルの作品は宝です」
「今回、はじめての被災者の方との交流することができました。丹念な染の作業を一緒に行いながら、さまざまなお話ができたことは忘れられません」