29年度取組事例集

取組団体


一般社団法人葛力創造舎
代表者 下枝 浩徳さん


取組名称


PV協働制作をきっかけにした、ありがとうを連鎖させる新しいコミュニティづくりに関する取組


取組の概要

 葛尾村には原風景とも言える美しい景色や、帰還した住民が挑戦している新しい産品があります。村の魅力を発信することを目的に、村内だけでなく周辺の若者も参加してプロモーションビデオ(PV)が制作されました。この取組を通して、村外の若者が村の魅力に触れ、葛尾村の高齢者は村の魅力を再認識しました。何より村内の高齢者と村外の若者とが交流するきっかけ作りとなりました。

 

取組の様子

 テーマは「自然・暮らし・挑戦」です。取組には、葛尾村の高齢者の他、村で新しく事業を起こした若者や近隣の大学生、東京の学生も参加しました。村の人達の話は新鮮なようで、若者たちは真剣に耳を傾けていました。その熱心な姿に、高齢者も自分でも忘れていたような話を嬉しそうに話していました。

 クリエーターの指導の下、PV制作は朝方まで行われました。村人からは煮かぼちゃなどが差し入れされ、それを食べた若者達は、制作にさらに力が入ったようでした。

 制作発表には副村長も参加され、村のホームページにも掲載されました。

 参加者たちはこの取組の中で充実した時間を共有し、疲れの中にも満足げな表情が見られました。高齢者と若者の交流の中で次につながる新しいアイデアも生まれていました。

 どの取組でも、生徒たちは、地元の人たちと一緒になって、時に指導を受けながら、アイデアを形にしていました。そうして作り上げたものを、地元の人たちや子供たちに披露し、懐かしさや楽しさを共有していました。特産品を広くPRするなど、将来的な産業復興にもつながるような取組も行われました。

 こうした取組を通して、生徒たちは成長し、また自身も元気と笑顔をもらっているようでした。

実施者の声

「今回の事業を通して、今後の葛尾村を盛り上げていく活動に協力いただける方とつながることができました。また、ある高齢者の方は参加した大学生と孫のような関係を築き、定期的に連絡を取っているようです。その学生も、その方を祖母のように慕い、村の文化を次世代につなぐ活動を始めたようです。家族のようなつながりをつくることができたと思います。」

参加者の声

「今まで若い人との交流がなかったので、つながりが持てたことをうれしく思います。震災でお世話になった方々への恩返しの意味を込めて取組んでいることを、村の人にも共感してもらい、横のつながりを持つこともできました。」
「静かな空間で制作に打ち込むことができました。この取組がきっかけで、葛尾村に半年滞在しての制作活動を春から始める予定です。村では野菜をいただくこともあるようなので、私も何かお手伝いするつもりです。」