30年度取組事例集

取組団体


大堀地区きずなの会
代表者 齊藤 基さん


取組名称


ふるさと大堀小学校に集い、郷土料理でつながりコミュニティの再生を目指す


取組の概要

 避難指示解除区域と避難指示区域が混在する浪江町大堀地区は、帰還が進みにくく、地域のつながりが薄れていく傾向にあります。取組では、地域住民がふるさとの暮らしを未来につないでいくための絆づくりとして、地域の象徴の一つである大堀小学校に集い、学校の環境整備、料理教室、芋煮会を実施。8年ぶりの地域行事によって交流の活性化を図りました。

 

取組の様子

 当日は、申し込みをしていなかった大堀地域住民や地域外の周辺市町村の方も、口コミでイベントを知って飛び入りで参加するなどとても盛況でした。総参加者は90名を超え、メディアの方も訪れるなど地域全体に賑わいが生まれました。大堀小学校は、震災前は草刈りや清掃などで地域住民が集まる活動の場だったこともあり、参加者が再会に胸を弾ませながら、楽しそうに作業に取り組む姿が印象的でした。

 料理教室では年配の料理講師から、芋煮の材料の切り方、煮る順番、味付けを教わりました。餅つきでも、臼を乾かさないなど、昔ながらのつき方のコツを講師から教わり、最後は餅入りの芋煮として、参加者全員で鍋を囲みました。次の世代となる参加者が、ふるさと味を残そうと真剣に学ぶ姿を多く見ることができました。参加された年配の方々は震災前の地域行事の思い出を語り合い、楽しそうに昔話に花を咲かせていました。

 約8年ぶりの地域行事に、参加者の表情はとても明るく生き生きとしており、地域住民の交流、再会の場として意味のあるものとなったと思います。これからの活動についても活発に意見が交わされ、大堀地区の活性化につながる場となりました。

実施者の声

実施後のアンケートには、「毎年やってほしい」「地域を残していきたい」という声が多く挙げられているため、今後も継続的に開催したいと考えています。地域住民にとっては今回の取組が、地域の残し方について考えるひとつのきっかけになったと思います。地域のつながりが再構築され、多くの活動が生まれていくことを期待しています。

参加者の声

「子供の頃の記憶も蘇ってきて、震災前のことを思い出すことができました」

「久しぶりに会いたい人に会うことができ、懐かしく嬉しく思いました」

「地域住民の絆を感じ、大堀に対する思いが強まりました」